債権回収会社から連絡が来た場合

「ある日突然,知らない債権回収会社から,お金を支払うよう書かれた書面が届いた」

「関係ないと思って債権回収会社からの通知を無視していたら,今度は裁判所から訴状が送られてきた…」

 

聞いたことのない会社から急に支払いを求める書面が届くと,きっと誰でも驚くと思います。中には「何かの詐欺ではないか?!」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,書かれている内容について身に覚えがある場合には,そのまま放置することは絶対にやめましょう

あなたの借り入れ先が,あなたの債権(あなたの借金を請求する権利)を債権回収会社に売り渡した場合には,知らない債権回収会社から支払い督促が送られてきても不思議ではありません。

聞きなれない言葉かもしれませんが,債権回収会社は,法務大臣の許可を受けて,不良債権化した(回収困難な)借金の回収を専門的に行う会社です。

本来であれば借り入れ先が行う債権回収を債権回収会社が行っているということは,強制執行がされる一歩手前にいると言っても過言ではありません

危機感をもって,適切に対処していくことが重要です。

 

ここでは,債権回収会社から連絡が来た場合の対処法について説明させていただきます。

 

債権回収会社(サービサー)とは

債権回収会社は,上にも書いた通り,不良債権化した(回収困難な)借金の取り立て業務を専門的に行う会社です。

「借金の取り立て」と聞くと,暴力団が絡んでいたり,怖い人が違法に取り立てを行ったりするのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,まずはご安心下さい。

債権回収会社は,「債権管理回収業に関する特別処置法(通称:サービサー法)」という法律に基づき,特別に債権の回収業務を行うことが法律上認められた会社になります。

法務大臣から債権管理回収業の営業許可を受けるためには,暴力団との関わり合いがないことや,取締役に弁護士が1名以上いることが条件となっていますから,怪しい会社ではないことはお分かりいただけると思います。

令和2年3月1日時点で,債権回収業の営業許可を受けている株式会社は,76社あります。

参照:http://www.moj.go.jp/housei/servicer/kanbou_housei_chousa15.html

 

最近では,実在する債権回収会社と類似した会社名をかたって架空の債権を請求する詐欺が発生しているようです。架空請求に対しては,もちろんお金を支払う必要はありません。

参照:http://www.moj.go.jp/housei/servicer/kanbou_housei_chousa19.html

もし聞き覚えのない債権回収会社からの通知が届いた場合には,念のため,通知に記載されている会社が上に挙げた法務省のHPに記載されているかを確認するようにしましょう。

 

また,債権回収は本来的には弁護士の業務ですから,弁護士名義で督促状が送られてくることもあります。対処法は次に説明する債権回収会社の場合と同じです。弁護士名義の督促状についても,絶対にそのまま放置しないようにしましょう。

 

債権回収会社からの連絡を放置すると危険!

借り入れ先からではなく債権回収会社からの督促が来るのは,借り入れ先が債権回収会社に対して,あなたの債権を譲渡したからです。

この債権譲渡は,債務者であるあなたの承諾がなくても行うことができます。

 

債権回収会社に渡る債権には,主に次のような債権になります。

・金融機関(銀行や消費者金融機関)の貸金

・クレジットカードを利用して分割払いで購入した代金(携帯電話などの割賦購入あっせん契約)

・携帯電話やインターネット通信料,光熱水道費

 

金融機関などは,自分たちでは回収することのできなかった不良債権を,もともとの債権額よりも安い金額で債権回収会社に譲渡(又は回収委託)します。

例えば,法律上は50万円を支払ってもらう権利のある債権を回収することができなかったために,金融機関が債権回収会社に債権譲渡する場合,その代金は5万円になるといった感じです。

このまま債務者から1円もお金を回収することができないことになるよりかは,もともとの債権額から大幅に割引いて債権を譲渡したほうが損失を抑えられるため,金融機関などは債権を債権回収会社に譲渡するのです。

 

債権回収会社から連絡が来るということは,これまでに何度も支払いを滞納し,金融機関からの督促にも応じなかったパターンがほとんどだと思います。この時点で,信用情報に傷がつき,ブラックリストに載っている可能性が高いと考えておくべきでしょう。

 

債権回収会社は,回収可能性の低い債権を譲り受け,それを取り立てて利益を上げることが仕事ですから,いわば取り立てのプロです。

法律知識やノウハウも豊富ですから,通知を放置したままにしておくと裁判を提起して,あなたの財産を差し押さえてくることが考えられます。

債権回収会社からの連絡をそのまま放置することは非常に危険です。

債権回収会社から督促が来た場合には,ご自身で債権回収会社に連絡するか,支払うことのできない場合には弁護士などに速やかに相談するようにしましょう。

 

ただし,業者からの借入れの消滅時効は一般的に5年となっているため,5年以上一切の支払いをしていない場合は,消滅時効により債務の返済をする義務がなくなっている可能性があります。

この場合に下手にこちらから連絡をして借金の存在を認め,または1円でも返済すると,本来消滅時効の援用をすれば免れたはずの支払いをしなければならない事態になりかねません。

ただ,単に5年を経過しただけでは消滅時効の効果は生じません。債務の返済義務を消滅させるためには,消滅時効制度を利用することを相手方(債権回収会社)に伝える必要があり,これを「時効の援用」と呼びます。一般的には,証拠を残すため,内容証明郵便を利用して行われます。

もっとも,5年を経過しているのかどうか自分では分からないという場合もあるでしょうから,そのような場合には債権回収会社に返事をする前に,一度弁護士に相談することをお奨めします。

 

債権回収会社による債権回収の流れとその対処法

債権回収会社の督促から強制執行までの簡単な流れは次のようになっています。

 

①債権譲渡の通知・督促が届く

債権回収会社から,まずは普通郵便や電話(業者によってはショートメールなど)で支払いの督促がなされます。これを放置していると,内容証明郵便で督促状が送られてきます。ここの段階まで来ると,債権回収会社が法的措置に踏み切る直前と考えて差し支えありません。

②裁判所から訴状又は支払い督促の書類が届く

それでも通知を放置したり,債権回収会社と返済について交渉したものの折り合いがつかなかった場合には,債権回収会社は裁判を起こすことになります。

裁判には,⑴通常の裁判と⑵支払い督促という簡易な裁判手続きの2種類があります。

いずれの場合でも,裁判に対応しなかった場合には,負けたのと同様の結果となり,遅延損害金も含めて全額を一括で支払う旨の判決が出ることになりますから,必ず対応するようにしましょう。

特に,⑵支払い督促の場合には,裁判所から送られてくる支払い督促が届いてから2週間以内に異議申し立てをして下さい。異議申し立てをすると,⑴通常の裁判に移行するため,そこで分割払いの希望を出すこともできますし,場合によっては和解が成立する可能性もあるため,強制執行されてしまうリスクを低下させることができます。

③強制執行

勝訴判決を得た債権回収会社が強制執行の申立てをすると,債権回収会社はあなたの不動産,自動車,銀行口座の預金,あるいは勤務先を把握されている場合には給料の一部が差し押さえられることになり,日常生活に重大な支障を来すことになります。

この強制執行の段階になると,仮に弁護士に依頼したとしても,事態を好転させることは非常に困難になっていしまいます。

 

債権回収会社への対応は弁護士へまかせましょう

これまで説明させていただいた通り,債権回収会社は,債権回収のプロフェッショナルです。

個人で分割払いの交渉や,利息・遅延損害金の交渉を行うことは大変な負担になりますし,時間も取られるため,仕事などの日常生活にもしわ寄せがくるおそれがあります。

また,弁護士は交渉のプロですから,ご自身で交渉される場合よりも,ご本人にとってより有利な交渉内容で合意できる可能性も高まります。

 

さらに,債務を返済できる見込みがほとんどないような場合には,ご相談者様にとって最適な債務整理のご提案をさせていただくこともできます。

債権回収会社から通知が来た場合には,速やかに弁護士に相談されることをお奨めします。

当事務所では初回の相談は無料となっていますので,一人で悩まず,まずはご相談下さい。

 


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